ひので動物クリニックのBlog

愛知県弥富市にある「ひので動物クリニック」のブログです。

SDMAについて

こんにちは!

 

獣医師の家田です。

 

 

今回は『SDMA』という腎機能検査についてです。

 

f:id:hinode-ah:20220306195024j:image

 

腎機能検査で一般的なものは『BUN(尿素窒素)』と『CRE(クレアチニン)』です。

 

当院のわんドック・にゃんドックの血液検査項目にももちろん入っています。

 

これらの項目は病院でも手軽に測定できて、非常に良い検査なのですが、欠点が2つあります。

 

1つは腎臓の機能が70%程失われないと異常値が出てこない場合が多いということ。

 

そしてもう1つは動物の筋肉の量によって数値にバラツキが出てしまうことです

(痩せて筋肉の少ない子は、腎臓の機能が低下していても筋肉量がある子に比べて低く出る場合があります)。

 

なかでも腎臓の機能が大部分失われないと異常値が現れないというのは大きな欠点です。

 

 

そのため、より腎機能の低下を早期に発見するために行うのが『SDMA』の測定です。

 

SDMAは残念ながら院内では測定できず、外注検査になりますが

 

検査結果は数日で判明するのでそれほどタイムラグはありません。

 

 

SDMAのほぼ全てが腎臓の濾過によって排泄されるため腎機能の指標となります。

 

SDMAは『クレアチニン』よりも早期に腎臓病の発見を出来る可能性のある事がわかっています。

 

具体的に犬で9.5か月、猫で17か月も早いと言われています。

 

特に猫ちゃんでは腎臓病が好発するため早期発見はとても大切です。

 

 

また、SDMAは腎臓以外の影響を受けにくく、小型の子や痩せた子に関しても腎機能が低下していれば上昇します。

 

 

多飲多尿などの腎臓病を疑う症状がある場合や、健康診断としてもSDMAの測定をお勧めします。