ひので動物クリニックのBlog

愛知県弥富市にある「ひので動物クリニック」のブログです。

急性膵炎!

こんばんはー。

今夜は、実家で飼っているコーギーのノンちゃんのご紹介とともに、"膵炎"という病気についてお送りします。

ノンちゃんは、今から8年前、ブリーダーの元で処分されそうになってたところを父が引き取って、我が家の一員になりました。
年齢は分からないのですが、少なくとも現在10才以上であることは間違いないおばあちゃん犬です。
お年を取るにつれて持病も増え、今では両目とも見えておらず、"膵炎"と"高脂血症"で闘病中です。

ところで、"膵炎"ってどういう病気かというと、食べ物を分解する消化酵素を作っている内臓の一つである膵臓に何らかの原因で炎症が起こり、膵臓やその周囲の他の臓器が破壊される病気で、重症になると命にかかわる深刻な病気です。僕自身、ワンちゃんの膵炎は獣医師として日ごろよく遭遇する病気の一つなのですが、とくに高齢のワンちゃんにはとっては、万全な治療を行ったにもかかわらず、助けられないこともしばしばあります。

人の場合は、アルコールが最も多い原因ですが、ワンちゃんの場合は特に原因がなく起こることが多いようです。
膵炎にかかると、頻繁に吐いたり、下痢をしたり、腹痛で動けなくなります。
ノンちゃんの場合は、比較的症状がひどくない代わりに、継続治療が必要な"慢性膵炎"という病状でした。
しかし、つい先日急に悪化="急性膵炎"化して、ただ今入院している最中です。
腕から点滴をながし、吐き気止めや抗生剤、膵臓から出る酵素の働きを阻害する注射を使ったりしていますが、なかなか改善に乏しい状況です…
僕たち獣医師の大切な仕事の一つは、"最期を見極めてあげる事"です。人以上に入院のストレスがかかりやすいワンちゃんネコちゃんは、最期は自宅で迎えさせてあげる事を希望される飼い主様は多く、僕自身もその方がいいと思っています。まだ頑張って治療すれば治る可能性があるのかどうかを判断し、ご家族の意見をふまえつつ、このまま入院して積極的な治療を続けるのか、できるだけ本人に負担をかけない緩和療法に移行していくべきなのか。僕にとっても、ご家族にとっても、いつも頭を悩ませる問題です。
ひので動物クリニックはこうした時に、ご家族と一緒に悩み相談にのってあげられる温かい病院にしていきたいと思っています。
ノンちゃんが明日こそは改善してくれる事を願いつつも、悪化している場合は実家につれて帰ろうと思いながらこのブログを書いている今日この頃です。